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2009-02-01

即戦力期待に要注意~鈴木美伸 ステージ・フォー・ワン代表取締役

即戦力期待に要注意~鈴木美伸 ステージ・フォー・ワン代表取締役

 「中途採用の社員には何を期待していますか」この質問を投げるとほとんどの採用担当者は「それはもちろん、即戦力です」と答える。それはそうだろう。新人育成や社内配置転換で穴埋めできない緊急の仕事があるからこそ中途採用を行うのだから。しかし、気をつけておきたいのは「即戦力」というのは専門知識だけでは達成できないということである。

 キャリアには「専門性と人的ネットワークの組み合わせ」という特徴がある。どんなに高い専門性を持っていても、それを発揮できる場所(組織・人間関係)が無ければ機能しないということである。

 しかも、日本社会は米国のような短期的契約社会ではなく、長期的信用社会である。どんなに専門性が高くても、それをフルに活用するには社内・社外との人脈形成が必要で、それが無いと即戦力として活躍することは難しい。

 特に中途採用にあまり慣れていない企業はこの点に注意したい。高いコストをかけて即戦力を期待して採用した中途採用社員がすぐに辞めてしまうことがある。

 退職後に調査してみると、現場からは「社風に合わない。何故、あんな人を採用したのか」というコメントが複数出てくる。

 退職する社員はあまり本音を語らないものだから結局、中途採用社員本人や採用担当者が悪かったということになりがちである(これは新卒採用でも留学生によくあるケース)。

 しかしそれは、業務上の専門性に問題があったのではなく、人的ネットワークの形成に問題があるケースが多い。だからこそ、中途採用面接時においては専門性の確認だけではなく、人脈を作れる人物か、配属部署との親和性はどうか、といった視点を忘れてはいけない。

 採用後も「即戦力だからあとは自分でなんとかできるだろう」ではなく、配属後、現場社員と馴染んでいくまで見守るべきである。1週間に1度くらい面談する必要がある。

 そういった採用担当者のサポートがあって初めて即戦力社員になるのである。転職になれた人材や業界ならともかく、日本においては今でも転職の精神的負担は相当なものなのだから。

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