【キーンバウム】人材コンサルティングの役割ーひとの現地化における障壁Ⅲ-人事部長向け専門誌|日本人材ニュース


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2020-12-15

キーンバウム ジャパン

【キーンバウム】人材コンサルティングの役割ーひとの現地化における障壁Ⅲ

前回までのコラムでは日系企業の海外子会社の現地化が進むにつれて起こりうる問題についての研究を紹介した。その典型的な問題というのは、マネジメント手法の差異から生じる、「現地採用の従業員の戸惑い」であった。しかし、実際にはそれだけに留まることなく、企業活動の原動力となる人材をそろえなければならないという点も長年の経営課題である。

一般的に業務遂行に必要な人材を確保するためには、人材を育成することによって人材補填をするか、外部から要件を満たす人材を採用するかの2つである。高度な能力を有する人材ほど数はそれほど多くなく、加えてそうした人材ほど求人広告を見て自ら応募することは少ない。こうした場合、企業は企業内育成を通じ優秀な人材の獲得を試みるが、この方法では成果が出るまでに長い年月を要してしまうことがデメリットとして挙げられる。それゆえ、とくに海外市場では現地のマーケットに精通したコンサルタントを通じて人材を見つける方法が一番早いといえよう。

グローバル人材が日系企業に必要不可欠である理由は、海外子会社を取り巻く環境が複雑化し、それに伴い高度な経営能力が企業より求められているからである。海外に設立された日系子会社の任務は、各地の事情に精通することや、市場の変化に追い付くことである。これを臨機応変に実行するためには、経営の現地化、つまり海外現地法人への権限移譲を進めることがかかせない。これと同時に近年のガバナンス強化の取り組みが広がっていることから、株式市場からの圧力に対しても日系企業は注意を払わなければならない。これにより、企業経営は高度化していき、経営を担う人材に対する要求は大きい。加えて、M&Aを通じて外国籍企業を買収・傘下に置く場合においては、日本的な経営手法では通用しないことも多く、事業軸と地域軸を明確に区分しマトリックスにおいてそれぞれの個別最適化と企業の全体最適化をおこなわなければならない。そのために経営資源をどのように配分するかの判断は非常に難しい。日本国内で国内向けの事業しか従事しておらず、グローバル事業を国内事業の延長線上の発想でしかできない従業員はグローバルマネジメントを担うには限界があることは自明である。

現地化が進められる日系子会社において経営が高度化しているという状況において、前回までのコラムで紹介したように先行研究で指摘されていることは、職務範囲を曖昧にする文化的アウトプットに依存した、組織化形態やコミュニケーションの手法が依然として多く用いられていることである。さらに、組織を取りまとめることができる人材が日系企業において顕著に不足していることも研究によって明らかにされている。つまり、日系海外子会社において採用活動がなされる場合には、新たに採用される現地採用の従業員は日系企業の経営手法の特異性に対して適応する必要性がある一方、企業側も日本的経営の環境に適応できる人材を探し出し、選び抜かなければならないというわけだ。

外部よりひとを新たに採用する際に重要なのはいうまでもなく、求職者と企業側の要望がいかにマッチしているかということである。しかし、経験やスキルといったハードの側面だけでなく、求職者の性格・考え方と企業の文化というソフトの側面にも配慮する必要がある。というのも、後者によるミスマッチにおいても、従業員の離職を導くだけでなく、企業側にとって望まぬコスト負担を強いられる。こうしたミスマッチを防ぐという意味でも企業文化への理解は欠かせない。次回のコラムでは企業文化について考察しよう。

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金子 周平
キーンバウム ジャパン Kienbaum Japan
www.kienbaum.jp

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