【キーンバウム】企業の現地化における人材コンサルティングの役割3 ―企業の課題―-人事部長向け専門誌|日本人材ニュース


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2020-10-20

キーンバウム ジャパン

【キーンバウム】企業の現地化における人材コンサルティングの役割3 ―企業の課題―

多くの日系企業では依然としてグローバルHRMシステムが構築できておらず、ゆえに日本的システムに馴染めない現地従業員が多い、と近年の研究は指摘する。

牧・関口 (2015)によると、日系子会社の現地化は、日本的人的資源管理システムの部分的移植と現地の人的資源管理システムの併用にとどまり、世界共通の人的資源管理システムを積極的に構築していない。そのため、日本企業の海外子会社では高コンテクスト文化に起因する文化志向コントロールに現地社員がうまく入り込めず、コミュニケ―ション上の問題に戸惑うと指摘する。

また、現地化が進んでいない海外日系企業においては、ごく少人数の駐在員日本人管理者のみが経営を行うことから、現地人には昇進が限られる「ガラスの天井効果」(古沢 2011)が問題となる。更に、鬼塚(2004)は、日系企業は欧米企業と比べると、能力に見合った人事評価が受けられず、賃金が低いため、現地人材からの評判があまり良くないとした。

一方で、日本企業が具体的に直面しているグローバル人事課題の特徴はどのようなものだろうか。

日本在外企業協会(2019)は、日系企業の海外事業管理担当者、国際人事担当者を対象にアンケート調査を行った結果、「ローカル社員の育成」(2018年 71%、2016年 73%、2014年 73%)、「グローバルな人事・処遇制度の確立」(44%、51%、50%)、「日本人派遣社員の育成」(49%、49%、43%)に人事課題があることを明らかにした。人材のグローバル育成に関しては、経年的にみても多くの企業が問題意識を持つ様子がうかがえる。

入江(2011)は、日本企業189社を対象に、グローバル人材マネジメントの全体を把握するミドルマネージャー以上の役職者に対し調査を行った。その結果、日本本社におけるグローバル人材マネジメントの課題として、日本人の語学教育やグローバルビジネススキル教育、海外赴任者の選抜・育成が挙げられており、「世界で戦える日本人の育成」が目下の課題であることがわかる。また海外現地法人における課題はローカルスタッフの育成である。

以上から、日系企業は海外子会社の現地化を進めているものの、人材育成に関しては制度の構築段階であるといえる。海外子会社における、重要な職務を遂行できる従業員の育成が追い付いていないという問題は、90年代から白木(1995)によって指摘されていることから、20年以上経った現在でも日系企業は現地化に際して同じような問題を抱えているのである。

日本企業の国際化において、グローバル人材育成が喫緊の経営課題であることは明らかである。具体的には統一的なグローバル人事・処遇制度の構築と、海外拠点の適切な人材マネジメントである。今後見込まれる更なるグローバル化と労働力人口の減少(とりわけ若年層)が逆比例の関係にあるため、国籍にかかわらず能力のある人材の活用と、適切な評価が経営において重要であることは言うまでもない。

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入江崇介(2011)「グローバル人材マネジメント課題と施策実施状況の実体」『RMSmessage』vol.25.
鬼塚義弘(2004)「中国進出企業の経営比較―現地化の遅れは問題か?」『季刊国際貿易と投資』Winter 2004, No.58, 69-75.
白木三秀(1995)『日本企業の国際人的資源管理』日本労働研究機構.
日本在外企業協会(2019)「第 10 回「日系企業における経営のグローバル化に関するアンケート調査」結果報告」2017年1月10日.
https://joea.or.jp/wp-content/uploads/survey_globalization_2018.pdf (最終閲覧日2020年10月20日)
古沢昌之(2011)「日本企業の海外派遣者に対する人的資源管理の研究―駐在員経験者への調査を踏まえて―」『大阪商業大学論集』第6巻第3号 1-22.
牧美喜男, 関口 倫紀(2015)「日本企業海外子会社における人的資源管理の実証研究」『国際ビジネス研究』第8巻第1号 89-105.

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